Google謹製のFlutterの使い方(1)
スマートフォンアプリ開発が初期の頃から、AndroidとiOSのマルチプラットフォーム開発は行われてきました。
しかし、各OS仕様の変更や開発環境の制限など、様々な理由からマルチプラットフォームの実現は厳しいと思います。
そんな折、Googleから「Flutter」というマルチプラットフォーム開発用SDKが提供されました。
このSDKではGoogleが開発した「Dart」という言語を使用し、iOS/Androidのアプリを同時に開発することが可能となりました。
そこで今回はFlutterをインストールし、テンプレートアプリを起動できるまでを行って行こうと思います。
Flutter SDK インストール
Flutterのインストールを行っていきます。
すでにインストールが終わってる方は コチラ からスキップできます。
FlutterはGitHubにて公開されていますので clone をするか、公式サイトからzipファイルをダウンロードします。
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$git clone -b stable https://github.com/flutter/flutter.git |
※記事作成時点でのstableバージョンは v1.0.0 です
ダウンロード後は flutter/bin までパスを通し、コマンドを実行できるようにします。
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[Mac OS] $export PATH=$PATH:`pwd`/flutter/bin |
その後、下記コマンドを実行し、flutterの環境チェックを行います。
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$ flutter doctor -v |
実行後、下記のような内容が表示されると思います。
このとき、「Connected device」以外でチェックがついていないものがある場合、正しく起動できない場合があります。
その際は内容がコマンド結果に表示されますので、逐次対応をします。
(詳細を表示する場合、コマンドオプションで -v を追加してください)
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$ flutter doctor Doctor summary (to see all details, run flutter doctor -v): [✓] Flutter (Channel stable, v1.0.0, on Mac OS X 10.13.6 17G4015, locale ja-JP) [✓] Android toolchain - develop for Android devices (Android SDK 28.0.3) [✓] iOS toolchain - develop for iOS devices (Xcode 10.1) [✓] Android Studio (version 3.2) [!] Connected device ! No devices available ! Doctor found issues in 1 category. |
そしてお気づきかと思いますが、開発は Android Studio で行います。
また、iOSアプリケーションを開発する場合、Xcodeが必要となります。
※Android Studio および Xcode のインストール方法は割愛します。
Android Studio 設定
Android Studioにも設定を行います。
Preferences -> Plugins を開き、下記のものを検索&インストールします。
(必要に応じてAndroid Studioを再起動してください)
- Dart
- Flutter
- Flutter i18n
プロジェクト作成
さて、ここからが本題です。
Flutterのプロジェクトを作成していきましょう。
Android Studio -> File -> New -> New Flutter Project でプロジェクトを作成します。
コチラの画面では、作成するプロジェクトの設定を行います。
アプリケーションを作成するので、今回は Flutter Application を選択します。
アプリケーション設定では、アプリケーション名やFlutter SDKの場所などを設定します。
- Project Name: プロジェクト名(小文字のみのスネークケース)
- Flutter SDK Path: インストールしたFlutter SDKまでのパス(binの1つ上までを指定)
※Install SDKは押す必要がありません。 - Project Location: プロジェクトを保存するディレクトリを指定
- Description: プロジェクトの説明などを記載(記載する必要は特にないと思います)
- Create project offline: 特にチェックする必要はありません
- Company domain: 企業ドメイン(例: blitzgate.co.jp)
※ここに記載する場合、「ドメインの逆記載」をする必要はありません。 - Package name: パッケージ名(ドメインの逆記載)
※故意に変更する必要がない場合、自動入力の内容でOKです。 - Platform channel language: プラットフォーム内で使用可能な言語の追加
※KotlinやSwiftを使用可能にするかどうかです。
ここまで設定を行うと、プロジェクトが作成されます。
アプリを実行する
プロジェクト作成後 lib/main.dart が開かれていることと思います。
内容は下記のとおりです。
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import 'package:flutter/material.dart'; void main() => runApp(MyApp()); class MyApp extends StatelessWidget { @override Widget build(BuildContext context) { return MaterialApp( title: 'Flutter Demo', theme: ThemeData( primarySwatch: Colors.blue, ), home: MyHomePage(title: 'Flutter Demo Home Page'), ); } } class MyHomePage extends StatefulWidget { MyHomePage({Key key, this.title}) : super(key: key); final String title; @override _MyHomePageState createState() => _MyHomePageState(); } class _MyHomePageState extends State { int _counter = 0; void _incrementCounter() { setState(() { _counter++; }); } @override Widget build(BuildContext context) { return Scaffold( appBar: AppBar( title: Text(widget.title), ), body: Center( child: Column( mainAxisAlignment: MainAxisAlignment.center, children: [ Text( 'You have pushed the button this many times:', ), Text( '$_counter', style: Theme.of(context).textTheme.display1, ), ], ), ), floatingActionButton: FloatingActionButton( onPressed: _incrementCounter, tooltip: 'Increment', child: Icon(Icons.add), ), ); } } |
この状態で Android Studio 上部にあるデバイス設定からアプリを実行するデバイスを選択。
そして Run(実行) をすることで、デバイスにアプリケーションがインストールされ、実行されます。
実行後、下記のような画面がデバイスで表示されれば、無事成功となります。
iPhoneにインストール出来ない場合
iOS12 でのアプリ実行時、下記のようなエラーが表示されることがあります。
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Could not install build/ios/iphoneos/Runner.app on 935a686145273bd8c6b4ca9565f81f7e4d8953de. Try launching Xcode and selecting "Product > Run" to fix the problem: open ios/Runner.xcworkspace Error launching application on [iPhoneName]. |
この場合、iPhoneの 設定 -> 一般 -> プロファイルとデバイス管理 -> デベロッパAPP に、開発者を信頼する項目があります。
この項目にある「”xxx@example.co.jp”を信頼」という項目をタップし、信頼することでアプリをインストール・実行することができます。
続いて、開発のTipsは コチラ です。
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